税理士 鎌田雅樹さんインタビュー | ともに社員の仕事と働き方【第2弾】

税理士法人ともに社員税理士の鎌田雅樹さんに、お仕事の内容と働き方についてお話しいただきました。(ともに社員のお仕事インタビュー・社員行政書士 佐藤 靖宜さん編はこちら)

こんにちは、税理士法人ともにWEB編集部ライターの佐藤まり子です。

社員税理士の鎌田さんは資産税業務を担当しています。

今回は鎌田さんに加え、代表社員税理士の入江さんもご同席くださいました。相続専門の税理士事務所での税理士の仕事ぶりがよく理解できるので、以下の方に参考になるでしょう。

・税理士の仕事に興味がある
・相続税申告の進め方を知りたい
・相続専門の税理士の仕事内容を見てみたい
・税理士法人ともにでの仕事に興味がある

ともにの社風もよくわかる内容となっております。ぜひお読みください。

1.仕事の内容と社内での役割は?

――鎌田さん、今日はよろしくお願いします。まず現在の職務内容と社内での役割を教えていただけますか?

鎌田

社員税理士の鎌田 雅樹です。よろしくお願いします。

鎌田:私のメイン業務は、お客様の相続税申告のお手伝いです。お客様からご依頼を受けて、相続税の申告書を事務所として作成するのですが、その申告書のクオリティを保つことが私の仕事です。

具体的な手順を言います。お客様と面談した後で始めにやることは、税務上切り詰められそうなところを、できる限り節税する方法を考えることです。

――始めに節税方法から着手されるんですね。その理由は何ですか?

鎌田:はい、なぜ始めにこれをやるかと言うと「亡くなった方が築いた財産をなるべく多く遺したい」からなんです。

そのため、私は相続人の方になるべく負担がかからないようサポートし、きめ細かく税務申告のお手伝いをしていきます。

――鎌田さんが担当されるご相続の中には、簡単ではないものが多いそうですね。

鎌田:お引き受けしたご相続サポートのうち、複雑で難解なものは大体私が担当しています(笑)。

――そうなんですね!鎌田さんは相続税で困っている方を助けるヒーローのようですね。ちなみに相続税の支払いは、どのくらいの遺産を相続すると必要になるのですか?

鎌田:ご相続で申告が必要になる方が受け継がれる財産額は、1億円以下であることがほとんどです。平均すると8千万円程度です。

――8千万円程度の相続財産があると申告が必要になるのですか?

鎌田:はい。「8千万円」というと高額に感じますが、実は一般的なご家庭でも該当することが多い金額なんです。たとえば、以下のようなご家庭を想像してみてください。

・首都圏の持ち家にお住まいである
・2千万円程度の預金をお持ちである

鎌田:そんなに珍しくはありませんよね?でも、こうした状況のご家庭で相続が発生すると、それだけで申告が必要になります。相続税申告が必要になるご相続で最も多いパターンです。

こうした中で、たまに、一筋縄ではいかない論点が複数ある方がいらっしゃいます。たとえばこんなケースです。

・相続人の中に行方不明で連絡が取れない方がいる
・亡くなった被相続人がおひとりで財産管理しており財産状況が全くわからない

鎌田:今もまさに、上記のような複雑なご相続の申告をお手伝いしています。

このケースでは、最初は別の税理士の方がサポートを手掛けておられました。でも、その先生が「うちではできないので、相続専門の事務所にご相談された方がいいですよ」とアドバイスされたそうなんです。お客様はそうした経緯を経て、相続専門の私たちのところにたどり着かれました。

――あまりに難しい相続状況だったため、はじめの税理士の方がさじを投げられたということでしょうか?

鎌田:ということになるかもしれません。税理士といえども何でもできるわけではないので‥。相続に慣れていない税理士の方もいらっしゃいます。

――会計がご専門の税理士の方ですと、相続は不慣れな場合もあるのでしょうね。

2.税理士法人ともにで仕事をしようと思ったきっかけ

――ところで、鎌田さんが相続専門の税理士法人であるともにで仕事をしようと思ったきっかけは何ですか?

鎌田:代表社員税理士の入江さんから、お声がけいただいたことがきっかけです。

実は以前、私と入江さんは、同じ会社に勤務していました。ですが、その当時に一緒に仕事をしたことはないんです。というのは、私と入江さんとは別のチームに所属していたからです。所属チームが異なると、一緒に仕事することはありません。

――チームが別でも、お互いの存在は知っていたのですか?

代表社員税理士 入江:知ってましたね。当時、社内でも鎌田くんは有名で、その評価は、めちゃくちゃ褒める人とけちょんけちょんに言う人のまっぷたつに分かれていました(笑)。

入江

代表社員税理士の入江です。鎌田くんとは前職の会社時代からのつきあいです。

でも、私から見て仕事ができる人たちが、鎌田君に対して「いい」評価をしていました。そこで、「鎌田君はクセは強そうだが、実力があることは間違いない‥。そしてクセは矯正できるだろう」と判断して一緒にやることに決めたんです。しかしそのクセはまったく矯正されずにそのまま来てます(笑)。

鎌田:意外とガンコなので、あまり人の言うことを聞かないんです。(笑)

私の方も、入江さんの評判はお聞きしていました。入江さんは、難しい案件や他の人がやってないことを多く手掛けておられて、社内でも目立っていましたから。

入江さんのチームは少数精鋭なのに売上が多く、「あのチームは人数が少ないのに売上がダントツで、いったいどうなっているんだ‥⁉」と、新人だった私は驚きと羨望の気持ちで見ていたものです。

ただ、私も税理士として、めったにお目にかからないような難しいことにチャレンジしたい思いを密かに持っていまして‥。入江さんと一緒にやればその願いが叶うかな?という期待が決め手となり、新規立ち上げの『ともに』に参加することにしました。

3.入社前に不安に思っていたことは

――なるほど、税理士法人ともにで働くとお決めになった経緯がよくわかりました。それでも、入社前に不安に思っていたことがあったのではないでしょうか?もしありましたら教えてください。

鎌田:うまくやっていけるかどうか?は心配でした

――それは人間関係の面ですか?

鎌田:そうではなく、「入江さんが多く手掛けていた特殊な案件に対応できるかどうか」が不安でした。

――技術的な面での不安をお持ちだったのですね。

鎌田:はい、前職は大きな事務所だったので、特殊な案件へのご相談も数多く受けていました。とはいえ、実際には上司がいて社員の人数も多く、自分は責任者ではない。上司の下で一担当として案件に携わるだけの、責任の軽い立場だったんです。

しかし、ともにでは自分が主担当となり、なおかつ責任者となります。いきなりそんな重い立場となって果たして自分にできるかどうか?がとても不安だったのです。

入江:結果としてまったく問題なかったです。1ミリも問題にならなかった。想像以上の期待した以上の素晴らしい働きをしてくれました。

4.現在の職務内容を教えてください

――鎌田さんの、現在の職務内容を詳しく教えていただけますか?

鎌田:仕事の中でいちばん時間を使っているのは、税務申告のお手伝いの部分です。

会社として提出する相続税申告書のクオリティを保つ。」

この部分に、何よりも気をつけています。

5.職場の雰囲気はいかがでしょう

――鎌田さんが感じる職場の雰囲気を教えて下さい。

鎌田:職場の雰囲気はとても明るくて、風通しもすごくいいです。むしろ、周りから見ると私が相談しにくいタイプだと思うので、雰囲気を下げてるかもしれないです(笑)。余裕があるときはリラックスして対応できるのですが‥。

一筋縄ではいかないようなご相談をお引き受けしており特に時間もギリギリだったりすると、なおさらです。自分の殻に閉じこもって、じっくり考え抜かないとやりきれません。そんなときは多分、「話しかけないで」オーラが出ていると思います。

――それだけ真剣に案件に向き合っているということですよね。

鎌田:特に論点がある案件をやっているときは、いろいろな人に相談させてもらいます

――「論点がある」というのは、どういうことでしょうか?

鎌田:「論点がある」というのは、いろいろな選択肢があり結論が1つに絞りきれない案件ということです。

入社前は、自分だけでやり遂げられないとき、充分に相談できるかどうかが不安‥と思っていたのですが、そこはまったく問題ありませんでした。

というのも、ふたを開けてみると社内に知識や考え方がしっかりしている方が多くいらっしゃって、気軽にたっぷりと相談しあうことができたんです。

だからそれはもう、ひんぱんに相談していますよ。事務所を見回して、私以外の資産税部門のメンバーがいると「あ、相談できる。ラッキー。」と思います。

仮に、社内にいるメンバーに相談しても解決できない難しいケースの場合は、ふだんから関与していただいている外部の専門家に相談します。

――税理士以外の専門家の方に相談されるのですか?

鎌田:はい、たとえば権利関係が難しい不動産の売却や運用など、専門的な知見が必要なときに相談します。その分野の深い知識をお持ちの不動産会社の方や不動産鑑定士の先生にご意見を伺うんです。

また、ともにには私と同年代の国税庁出身のOBが顧問税理士として常駐しています。相続税申告書の最終チェックはもちろんのこと、税務リスクが高いと思われる案件についても十分に協議し、お客様の税務リスクを極限まで抑えています。

提携先の専門家の方々は、みなさん知識が豊富で能力が高いです。心から信頼しています。ニッチな相談ごとでも快く対応してくださる専門家がともにの周りにはたくさんいらっしゃるんです。

6.実際に仕事を始めてみて、思っていたことと違ったことは?

――実際に、ともにで仕事を始めてみて「これは思っていたことと違った」といったことはありますか?

鎌田:仕事前の想像と違っていたことはほとんどないです。逆に、思っていた以上に自分のやりたいことができています

鎌田:私の場合、ご相談が複雑な方が挑戦したくなるし、やりがいを感じるんです。複雑なご相談の着地点を見つけた時は、難しい数学の問題が解けた時のような達成感や爽快感を覚えます

だから、込み入った内容のご相談はぜひとも自分が引き受けたい、という気持ちを入社前には持っていました。その希望は充分に叶いました。

想定外だったのは、めったにないだろうと想像していた「込み入ったご相談」が、実はこんなにたくさん存在していた‥ということです(笑)。

7.仕事をしていて大変なことは?

――逆に、仕事をしていて大変だなあ、と感じることがありましたら、教えてください。

鎌田:コンサルティング系の仕事は大変ですね。

――「コンサルティング系のお仕事」とは、どういうものでしょう?

鎌田:コンサルティングは、大型の相続で必要になります。相続する資産が多い場合、単純に申告書を作って終わりではなく、「何をどう動かすと良いのか?」といったコンサルティングが求められるんです。こうなると仕事量も増えます。

「人から人」「個人から法人」など、何かを動かすとその都度税金がかかってきます。そのため物の動かし方を間違えると、とんでもないことが起こり得るんです。ちょっとした間違いでお客様に数千万円単位の損害を与えかねません。

相続税は、遺産分割の方法を1つ間違えるだけで税額が数千万円変わることがざらにあるんです。だからどう申告するかの結論が出てからも、本当に大丈夫かどうか、繰り返し繰り返し考えてしまいます。

「本当に大丈夫なのか?」と、ぎりぎりまで考えます。

当然、先程言ったように仲間や外部の専門家と相談しながらやるんですけど、それでもやっぱり怖いし大変です。間違いがあったときは「ごめんなさい」では済みませんので。

――聞けば聞くほど大変そうです‥。

鎌田:今までやったことのないことをひたすらやっているのが、大変といえば大変です。しかし、逆にやりがいもあります。

私、税理士が損害賠償されたケースや事例集の本をよく読んでいるんです。実はこうした本には税理士が現実にミスした事例が出ているため、すごく参考になるんですよ。

「ああ、こういうことするとこうなるんだな、気をつけよう」という風に、実際の税務での知見がストックできます。

――そうした情報収集方法があるのですね。

8.仕事をしていてよかったこと

――仕事をしていてよかったな、と感じたことがありましたら教えてください。

鎌田:それは、この仕事がお客さんにすごく感謝される仕事であることです。

話は変わりますが、私は過去に飲食などのサービス業に従事しており、その期間がかなり長かったんです。

――サービス業というと、どのような内容だったのですか?

鎌田:コールセンターでの勤務や、高級車のコンシェルジュサービスをしていました。お客様のご要望に応じて宿泊場所やレストランなどを探すサービスです。妖怪ウォッチを探したこともあります(笑)。結構大変なんです。なのに、たまにしかお客様に感謝されません(笑)。

でも、今はお客さんにとても感謝されます。特に自分でもうまくできたと思っている点とお客さんに感謝してもらえた部分が繋がっていると、より嬉しいです。

たとえば「どうしたらいんだろう、この不動産売らないとダメかな‥」といった問題が出てくるとします。これをしっかり解決できて売らずに済み、そのお客さんにすごく喜んでもらえたりするんです。そういうのがいちばん嬉しいです。

9.将来の目標があれば教えてください

――将来の目標がありましたら教えてください。

鎌田:相続の仕事を続ける限り、この事務所でやって行きたいです。特に自分は創業メンバーなので、スタートしてから10年の間にそれなりのものを作りあげたいなと思っています。

鎌田:未経験からともにへ入った人が、社員税理士になったりしたら、すごく嬉しいです。たとえば大学生インターンが一から勉強して税理士になり、会社をまかせられる役員になってくれたら嬉しい。

だって最初は何もわからなくて入ってきた人が、しっかり成長して役員になったら、めちゃめちゃ嬉しくないですか?

――かなり嬉しいと思います!

鎌田:そうなれば当然売上もついて来ているでしょうし、それぐらいしっかり会社が成長できるといいなと思います。

――素敵な目標ですね。今日はありがとうございました。

編集部から一言

まじめで勉強熱心な、資産税担当税理士の鎌田さんにお話をお伺いしました。発言の端々から、責任感の強さとお客様本位の視点が伝わってきます。最新事情の勉強を続けていて、相続税のことは鎌田さんにお任せすれば、間違いないだろうな‥!と感じました。

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